綺麗に仕上がった酸洗後の製品が、稀に時間と共に変色を招くことがあります。
変色の原因は製品隙間に残っていた酸性の薬品がしみ出て、空気に触れ赤く又は茶色に変色する為です。
変色を招かないよう後処理に努力を惜しみませんが、構造上どうしても薬品が出し切れない場合があります。
納品後の品質維持と変色防止の為に、傾向と対策を事例と共にご紹介させて頂き、設計・製作時の参考にしていただければと思います。薬品が 残りやすく変色しやすい構造として下記が考えられます。
1. 板と板の突合せ部
2. 溶接ビード部
3. 角パイプ、丸パイプの接続部
1と2の対策としては、隙間無く合わせ目は全溶接、溶接ビードはピンホールの確認を徹底する事しかなく、歪や図面指示など様々な問題で理想通りにはいかないと思いますが、出来る限り支障のない範囲での溶接加工が理想です。
3の対策としては、初めから完全溶接は不可能と判断し、支障なき場所にカット又は穴を開けて頂くと、万が一入った薬品も抜けが良く、また内部の洗浄も可能になり変色のような症状が抑えられます。(穴は最低でも2ヶ所=空気穴と液の抜け穴)
ご依頼のお品物に構造上ご心配な点や、ご相談がございましたら遠慮なくご連絡下さい。
酸洗い専門業者としての長年のノウハウから最善のアドバイスをさせていただきます。
※ 構造上当てはまるからと必ず上記のような現象が起こるという訳ではありません。弊社では、サンプル酸洗を受け付けておりますので、本製品での変色がご心配でしたら一部部品やテストピースでご依頼下さい。参考になるかと思います。